お土産下調べ -コラム-
奈良漬
 奈良漬って聞いて好きな人もいれば、食べられないという人もいるはずです。また不思議な事に地域性もあって、ほとんど食べない県なんかも存在します。
  そもそもなんで奈良漬と呼ばれるかといいますと、元々奈良はお酒発祥の地であり酒粕がたくさん余っていたそうです。江戸時代初期に奈良町の町医者、糸屋宗仙(いとやそうせん)が、当時奈良でよく取れた瓜を試しに酒粕の中に漬物のように漬けてみた所、たまたま味がおいしくなったようです。あとは、医者でもあった宗仙がいかに美味しくするか研究したのでしょう。美味しい物は現在といっしょで、口コミで奈良中に広まり、そして全国へと広まっていきました。 大仏さんをお参りに来た全国の旅人が買っていったのも影響したとのではないでしょうか。なんせ普通の漬物と違い常温で保存がきくのですからお土産品として重宝されたはずです。
  話は戻りますが、奈良漬を食べれないという人はほとんどが、奈良漬の持つアルコール分が苦手なのではないでしょうか。もちろんお酒が全くだめで粕汁でも酔ってしまうという人にはどんな奈良漬も無理かもしれませんが、実はお酒の苦手の人も以外と食べれる奈良漬があります。

 現在、奈良漬は大きく2系統あると言われています。1系統はお酒好きが好むアルコールの強い奈良漬、1系統はお酒のアルコールは控えめで旨みを凝縮させた奈良漬。もちろんどちらもおいしいのですが、後者の方であれば以外と食べれたという話を良く聞きます。
逆にお酒が苦手な人が前者の方を食して嫌いになった場合もあるようです。最初に嫌になると先入観が植えつけられてしまい、すべてを拒絶してしまいがちになりますね。 ちなみに春日野で売っている奈良漬は後者の方になります。
奈良漬
 では、うまい奈良漬とはなんぞやという観点から考えてみましょう。奈良漬は元来から保存食としての特色が強い食べ物です。中には100年くらい漬けたものもあって、酒といっしょで熟成されたそれを好む人もいるようですが、何十年も漬けると見た目がどす黒になってしまい、どうも見た目で食べる気が失せてしまいます。

 やはり現代人の口に合うか考えたとき、バランスが大切になってきます。チェックする項目は大きく分けて5つあると思います。食感、塩分、アルコール分、旨み成分、見た目の色です。 もちろん漬物ですから、漬けてから食べるまで最もおいしい時期というのが存在します。家でヌカ漬け等を漬けた方ならわかると思います。旨みが染み込んで、しかも塩辛くない時期、つまり「食べ頃」です。長く漬ければ良いというものでもありません。

 5つのバランスを考え、サクサクとした食感で、塩辛くなく、アルコールも強くなくお酒が飲めない人でも食べれる旨みがあり、べっこう色の奈良漬。これが最高だと思うのですが、人には嗜好があるので、やはりこれは食べた人が決めることですね。

 春日野ではこういう考え方で奈良漬を作っています。昔と違い現在は微妙な温度や湿度の食品管理がきちんとできますから「売る時期」=「もっとも食べごろ」に品質が保てます。先人の知恵から生まれた奈良漬を現在の技術でよりおいしく召し上がっていただくことができます。一度良かったら広く親しまれる奈良漬をお土産でお試し下さい。
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